ネットワーク構築
Wi-Fiを遠く離れた建物間で共有する方法
2024年1月19日
ネットワーク構築
Wi-Fiを遠く離れた建物間で共有したいと思ったことはありませんか?そんなときに便利なのが指向性アンテナ長距離無線LANです。これは、見通しが良ければ数キロメートル以上の距離でWi-Fiを共有できるというものです。この記事では、その特徴や設置方法、実際の使用感などについて紹介します。
「Wi-Fiの電波の問題点と解決策」
事務所から店舗、あるいは自宅から実家までさほど離れていない建物間でWi-Fiを共有できれば新たにインターネット回線を契約せずに既存の回線のみでインターネットに接続できるため月々の通信費を抑えることができます。
しかしWi-Fiルーターではさほど遠くない10m離れた場所でWi-Fiを共有したいと思ってもWi-Fiの電波は遮蔽物に弱いため受信先で到達する電波強度が弱く、また通信速度が遅いため思いのほかうまくいかないことが現状です。解決策としてはWi-Fi中継器を設置して通信エリアを広げるか、LANケーブルや光ケーブルを配線する等の選択肢があるかと思います。が、状況によってはWi-Fiを共有したい拠点が道路や河川、建物等が間にある場合は、Wi-Fi中継器の設置やLANケーブル等の配線はできないのが現実だと思いますので、別途ネット回線を契約する必要があるでしょう。
今回の事例では自宅であるマンションから実家が目視で確認することができて、電波を遮る障害となる建物や樹木等もないため見通しが良いことから指向性アンテナ長距離無線LANのご提案をさせていただきました。見通しがよければ通信先の間に道路や河川があっても通信可能です。また、総務省の電波法(技適)認証済みですので使う側も安心して設置できます。
設置イメージは下図のとおりです。
水平距離は約80mです。CPE510は2.5km以上の長距離無線伝送が可能ですので十分にカバーできます。
問題はマンションの10階にアクセスポイント機、2階建て住宅にクライアント機を設置するとなると標高差があるので設置する機器の表面が向かい合うように金物等を使用し工夫が必要です。
設置後、通信テストの結果は良好で、下り:約73Mbps、上り:約22Mbpsでした。YouTubeやNetFlix等のビデオオンデマンドは問題なく視聴可能なレベルです。
インターネット接続が可能となりましたので今後は高齢のご両親を見守るべくスマートエアコン、スマートLED、ネットワークカメラ等の導入を検討されるそうなので微力ながらお役に立てるようご提案させていただきます。
このような指向性アンテナ長距離無線LANは敷地の広い工場での建屋間おける無線通信にも適していると思います。アクセスポイント機1台でクライアント機2台といった機器構成でも通信可能です。設置方法を工夫すれば配線工事の費用を抑えることできますので安価に導入が可能です。